リップルとは、リップル社が開発したブロックチェーンテクノロジーと、そのブロックチェーン上で使われる通貨XRPの名称です。
2017年12月時点で時価総額高は常に上位5位内となっており、高い評価を受けている人気の仮想通貨の1つです。
リップルテクノロジーの特徴と将来のビジョン、情報の入手方法や投資の仕方などを解説していきます。
目次
リップルの特徴
リップルのテクノロジーは、IoV=Internet Of Value(価値のインターネット)をモットーにしています。
リップル社はインターネットを通じたスムースな決済や物流を世界中で行うことを目指し、ブロックチェーンの開発を行っています。
中でも現段階で特に注目されているのが、異なる通貨間での決済業務を大幅にスピードアップし、手数料などコストの削減もすることができるテクノロジーです。
ビジネスのグローバル化が進む現在、リップルのテクノロジーは世界中の大手金融機関などから注目を浴びています。
テクノロジー
リップルで国際間の異通貨決済を効率良く行える秘訣は、次の5つの特徴にあります。
リップル通貨がブリッジ通貨となって国際間の送金を速く安くできる
リップル通貨は、異なる通貨の橋渡しの役割をするブリッジ通貨とも呼ばれています。
例えば、円と米ドルと韓国ウォンの間での決済を、リップルを橋渡し通貨として使うことによって、お互い別な通貨に両替する手間や費用をかけずに、決済を行うことが可能です。
リップルの通貨間の橋渡しをする役割は、法定通貨にだけでなく仮想通貨にも同じように利用できます。
引用元:https://ripple.com/files/xrp_cost_model_paper.pdf
異なる決済システムをつなぐILPテクノロジーがある
リップルは、通称ILP(インターレジャープロトコル)という、違う種類の決済システムをつなぐことができます。
例えば、異なる銀行間、異なる電子マネー間、異なるクレジットカード会社間などです。
独自のシステムを持つさまざまな決済機関をつなぐILPによって、外国間や異種システム間での決済をスムーズに行うことを可能にします。
リップル通貨は借用証書の役割も果たしている
既存のビジネスの仕組みで国際間決済を行う場合は、他国との金融機関同士の残高確認などのやり取りや、取引相手の支払い状況などの信用確認に時間がかかります。
それを解決するのがリップルのIOU取引です。
IOU(I Owe You)=「私はあなたに借りがある」という意味です。
取引所やリップルネットワーク上でXRP残高を確認・管理することができ、その残高状況によってXRPに借用証書的な役割を持たせて、通貨のやり取りができるようにしています。
データ確認のためのマイナーはリップル社認定の承認者が選ぶ
リップルでは、ブロックチェーン上の取引確認作業はPoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)という仕組みを利用しています。コンセンサスというのは「合意」という意味です。
ブロックチェーン上での取引データの確認作業は、リップル社が認定した承認者に選ばれたマイナー(コンピューター)が行います。
例えば、ビットコインでは、不特定多数の誰もが競争で取引データの確認作業に参加でき、そのため膨大な電力を消費しています。(マイニング)
リップルではPoCによって無駄なエネルギー消費をなくし、資金力など特定の条件で報酬を得るマイナーが偏らないようにしました。
(注:この場合のマイナーは、ブロックチェーン上の取引データの確認及び承認作業を行うユーザーという意味です)
データ1件の処理時間は約1秒、1秒間に1,500件以上のデータを扱える
リップルのブロックチェーンでは、決済処理にかかるスピードはデータ1件につき約4秒となっています。
他のシステムと比較すると、例えばビットコインは1時間以上、イーサリアムは約2分、既存の銀行間決済だと3~5日間となっています。
スケーラビリティとも言われるデータを扱える許容量は、1秒間に1,500件以上となっています。
これは世界中で使われているビザクレジットカードと同じレベルのデータ処理能力となっています。
他の仮想通貨と比較すると、例えばビットコインは3~6件、イーサリアムは約15件となっています。
※これらのデータはリップル社のホームページからの引用です
使い道
リップルは国際間での通貨送金及び決済に特化したシステムです。
そのため、国際ビジネスに関わるすべての金融機関や企業にリップルのテクノロジーを使うメリットがあります。
従来のシステムで問題視されている送金日数にかかる時間や手数料などが解決されることによって、金融機関だけではなくさまざまなビジネスに利用でき、グローバル経済の更なる発展が見込まれます。
リップルの将来性
世界各国で金融機関が提携し、リップルのテクノロジーを使用した送金実験を行っています。メキシコやタイなどで、すでに実用化に向けて成功しているケースもあります。
日本でも三井住友銀行やりそな銀行などが、SBIグループ主催のもとで日韓送金実験を行っていて、早ければ2018年初頭の実用化を目指しています。
将来的にリップルのブロックチェーンは、日本でも早い段階で実用化されると見られていることから、リップルの将来性には期待が持たれています。
リップルへ投資する懸念点としては、リップルのブロックチェーンテクノロジーは今後実用化が期待されていますが、リップル通貨がそれと同時に採用されるかどうか決まっていないという点です。
XRP/JPYレートの推移をチャートで確認
(CoinGeckoより引用)
2014年
リップルは2014年にリップルネットワークなどのサービスが開始され、その後ILPなどの開発が順次進められていきました。
2016年
2016年には、日本と世界各国の大手金融機関などが次々とリップルテクノロジーの採用を表明しました。
2017年8月
2017年後半から価格は大きく動き始めますが、いくつかのニュースが元になっています。
2017年8月に公式ツイッターでカウントダウンが始まり、10月にリップル社の主催で開催された金融カンファレンスでは、マイクロソフト関連の慈善団体がリップルテクノロジーの採用を発表するなどのニュースがありました。
2017年12月
2017年12月にはリップル社が保有する550億がロックアップ(凍結)されました。リップル通貨(XRP)の発行上限枚数1,000億XRPのうち、646億XRPはリップル社が保有しています。
リップル社によるXRP流通量のコントロールの強さ不安視する市場の声を受け、その内の550億XRPが第3者に預けられました。
このロックアップで市場の不安は解消され、XRP価格は80円台を超えました。
さらに日韓共同送金実験や、大手クレジットカード会社のアメックスとの提携ニュースなどの好材料が続き、1XRPは100円を超えて取引されています。
リップルの買い方
リップル(通貨単位:XRP)は、金融庁認可の日本の仮想通貨取引所で購入することができます。特におすすめの取引所は次の3社です。
ビットバンク(bitbank.cc)
ビットバンクでは、日本国内では珍しく、リップルを取引所方式で売買板から購入できます。
2017年12月時点ではキャンペーン中で、通常0.25%~0.45%かかる取引手数料が無料となっています。
取引画面はテクニカル指標を搭載した「TradingView」なので、初心者には少し使いづらいかもしれませんが、使わない機能は無視してど基本操作だけを見ると分かりやすいので、すぐに慣れることができます。
スマホでもPC版と同じアプリが使えます。
コインチェック(Coincheck)
コインチェックでは、販売所方式でリップルを購入することが出来ます。
PC版もスマホ版も、初心者向けに見やすい取引画面となっています。
コインチェックには盗難補償があり、一定の条件を満たしていると、万が一の際にも補償が受けられます。
GMOコイン
GMOコインでは、販売所方式でリップルを購入することができます。
2017年12月時点ではキャンペーン中で、スプレッド(取引手数料に該当)を安くしています。
1日当たりの最大取引数量(売り買いの合計)が40,000XRPまでと制限されています。
アプリケーションは初心者にも使いやすく、数クリックで取引を完了することができます。
半減期はいつ?
リップルには半減期という概念はありませんが、ロックアップ(凍結)されたXRPは2018年1月から毎月1日に10億XRPずつ、55ヵ月かけて順次市場に解放されます。
ロックアップが解除されたXRPは流動性プロバイダーへの報酬などに利用される予定です。
個人はマイニング参加できない
リップルのマイニングは前述したPoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)を利用していて、個人でマイニングに参加することは事実上できません。
リップルの最新情報を知るためにチェックすべきサイト
リップル公式サイト
リップル社の公式サイトは日本語もあります。四半期ごとのレポートやニュースレター配信に登録しておきましょう。
リップル公式ツイッター
リップル社の公式ツイッターは英語のみですが、よくまとめられています。
単語を拾って日本語で検索するためにも利用できます。
仮想通貨ニュースサイトからのリツイートなどもあって、役立つ情報が多く発信されています。
Ripple総合まとめ
個人運営のサイトですが、日本語でのリップル関連ニュースや記事が非常に充実しています。
日経新聞などニュースメディア
日経新聞など、ニュースの経済面は、リップルを使った送金実験などのニュースを拾うのによい情報源です。
リップルを保管するのにおすすめのウォレット
Ledger Nano S(レジャーナノS)
レジャー・ナノSは、USBスティックタイプのハードウェアウォレットです。2017年12月時点で約1万円で購入できます。購入の際は必ず正規品を買いましょう。
リップル以外にもビットコイン、イーサリアムなども保管でき、数種類の通貨を同時にすることも出来ます。
日本語の説明書が付いていない場合には、ザイフのホームページなどに日本語マニュアルが載っています。※ザイフではリップルの取り扱いはありません
ウェブウォレットについての注意喚起
リップルを保管できるゲートハブ(Gatehub)というウェブウォレットがありますが、保管しているXRPの盗難が何件も報告されているようです。
ウェッブウォレットはネット経由でアクセスできるという便利さがある反面、セキュリティはサイトの管理者に任せている状態なので、保有通貨を安全に保管できる手段ではありません。
短期間の手段としては、盗難補償があって金融庁のみなし仮想通貨交換業者として営業している、コインチェック取引所のウェッブウォレットを利用するのも1つの手段です。
ですがそれはあくまでも短期での手段であり、100万円相当以上のXRPを持っている場合は特に、早急にハードウェアウォレットで管理することをおすすめします。
(100万円相当以上は万が一の際も補償の対象外となります。)
ハードウェアウォレットをすぐに準備するのは大変かもしれませんが、なるべく早く準備して、資産管理は自分で行いましょう。
スマホウォレットについての注意喚起
比較的新しいトーストウォレット(Toast Wallet)という、リップル専用のスマホウォレットもあります。
海外では、試用目的で使っているユーザー間では比較的評判が良いようです。
ですが、日本語での対応がないこと、二段階認証がないこと、オープンソースの無料アプリであることなどから、使用はおすすめしません。
オープンソースという事は、プログラムのコードを誰でも見れるということです。誰でも見れるコードというのは安全性は非常に低いものだと考えるのが妥当です。
どうしても使う必要がある場合は、最低限の使用にとどめておきましょう。
まとめ
金融システム面での利用がメインとなっているリップルですが、リップル社が掲げる目標は価値のインターネット=IoVで、将来的にはリップル社のブロックチェーンを使って、インターネット上でさまざまな物の流れをスムーズに行うことを目的としています。
今後さまざまな場面で、リップルテクノロジーが利用されていくでしょう。