この記事では、ビットコインキャッシュ(BCH)の特徴や買い方、今後の予測などについて解説します。
通貨名 | Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ) |
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通貨略号 | BCH |
開始年月 | 2017年8月1日 |
発行総量 | 21,000,000単位 |
ホワイト ペーパー |
ビットコインの日本語ホワイトペーパー ビットコインのホワイトペーパー |
公式サイト | ビットコインキャッシュ公式サイト |
目次
ビットコインキャッシュの特徴
ビットコインキャッシュとは、2017年8月1日に、ビットコインから分裂することによって誕生した仮想通貨です。
そのため、「基本コンセプト」や「基本的な仕様」はビットコインを継承しています。
いったん分裂してからは、ビットコインとは別個の仮想通貨として、独自の進化と流通を始めています。
ビットコインとビットコインキャッシュの違い
通貨名 | ビットコイン | ビットコインキャッシュ |
---|---|---|
基本コンセプト | P2Pの電子通貨 (端末同士の直接通信) |
P2Pの電子通貨 (端末同士の直接通信) |
開始年月 | 2009年1月3日 | 2017年8月1日 |
開発者 | Bitcoin Core | 複数の開発チームが独立して存在 |
管理体制 | 非中央集権型 | 非中央集権型 |
システム | Proof of Work SHA256(ASIC) | Proof of Work SHA256(ASIC) |
ブロック 作成時間 |
10分 | 10分 |
ブロック容量 | 1MB | 8MB |
Segwit | 有 | 無 |
半減期 | 4年毎 | 半年毎 |
マイニング 難易度調整 |
2週間毎 | 2週間毎 + Emergency Difficulty Adjustment (EDA) |
発行総量 | 21,000,000単位 | 21,000,000単位 |
分裂が生じた理由は、単位時間当たりの「記憶容量」について、ビットコイン開発者の派閥間で対立が生じたからです。
改革派は、送金スピード向上のため、「記憶容量」を1MBから8MBに増やして、取引の「記帳量」を増やそうとしました。
一方、守旧派は、「記憶容量」は1MBのまま、取引の「記帳量」だけ増やすことで、送金スピードを向上させようとしました。
両派閥の対立は、当初は送金スピード向上の方策をめぐるものでしたが、記帳代行業者(マイナー)の取り分の問題や、ビットコインの理論的提唱者・ナカモトサトシ氏によるホワイトペーパーの解釈、セキュリティ上の優位性に対する見解の相違に発展しました。
両派閥は折り合いがつかず、結局分裂に到りました。
ビットコインキャッシュの機能
ビットコインキャッシュの使用目的は、ビットコインと同じく、本来は「交換手段」です。
しかしながら、今のところ「投機手段」として用いられているのが現状です。
そのため、実際の流通量・流通頻度は不十分なので、肝心の送金スピードについて、ビットコインとビットコインキャッシュのどちらが優れているかは、今のところ確認されていません。
ビットコインキャッシュのメリット
ビットコインキャッシュのメリットは、ビットコインの名称を冠するネームバリューの1点です。
ビットコインキャッシュが買われる理由
ビットコインシリーズとは、ビットコインキャッシュを始めとする、ビットコインから分裂した諸コインのことです。
仮想通貨入門者が、初めて買う仮想通貨として、
- ビットコインの名を冠する
- ビットコイン初のハードフォーク(分裂コイン)として知名度が高い
- ビットコインと同等のスペックを持つ
- ビットコインより価格が安い
である、ビットコインキャッシュを選択する可能性は高いです。
また、ビットコイン保有者が、ビットコインの送金スピードに不安を感じた際、代替コインとしてビットコインキャッシュを選ぶ可能性も高いです。
ですが、ビットコインを改良したアルトコインが多数登場している現在、ネームバリュー以外に、ビットコインの代替コインとしてビットコインキャッシュを選ぶ必然性はありません。
ビットコインキャッシュは「本物の」ビットコイン
2017年11月以降、仮想通貨業界の大物たちから「ビットコインキャッシュこそが、ビットコインの理論的提唱者・ナカモトサトシ氏の意志を実現する正統」とする見方も、たびたび持ち上がっています。
それに伴い、近い将来、時価総額において、ビットコインキャッシュがビットコインを上回るであろうとの予測もあります。
ビットコインキャッシュのデメリット
ビットコインキャッシュのデメリットは次の3つが挙げられます。
- アルトコインに対して技術的優位性が乏しい
- ビットコインはこの後も分裂が予定されており、お家騒動の悪影響を受けかねない
- ビットコインのブランドバリューが毀損した場合、運命を共にしかねない
アルトコインに対して技術的優位性が乏しい
ビットコインキャッシュは、ビットコインと同じく、技術革新の激しいIT業界にあって「アニキ」(プロトタイプ)にあたる存在です。
製品ライフサイクルも、すでに「中年」ないし「熟年」です。
そのため、既存のアルトコインはもちろん、これから生まれるアルトコインにも常にその地位を脅かされる運命にあります。
特に、実用性に決定的な影響を持つ「送金スピード」に特化したアルトコインや、富裕層からのニーズの高い「匿名性」に特化したアルトコインには、苦戦をしいられることが予想されます。
現状、ビットコインキャッシュで決済が可能な店舗が、日本にはほとんど存在しないことも不安材料です。
お家騒動とブランドバリュー
ビットコイン本家のネームバリューに傷がつけば、分派のビットコインキャッシュにとってもマイナスになります。
現在、ビットコインシリーズが分裂する際には、分裂後のコインが旧コインの保有者に付与されるため、値上がりする傾向があります。
しかし、たびたび分裂を繰り返すようでは、実質的に通貨発行量の増大による貨幣希薄化(インフレ)が生じ、ブランドバリューに傷がついてしまうことでしょう。
BCHのチャート推移と買い時
2017年8月1日に生まれたばかりの新しい仮想通貨なので、チャート上のエントリー根拠は乏しいです。
日足ですと、現在、上げ基調にあるので、2~3年単位での上昇を見込むのであれば、今のうちに少し買っておくのも面白いかと思います。
ただし、技術革新や競合コインとの敗北によって、無価値になるおそれもあることは十分に留意したポジションサイズをとるようにして下さい。
BCH/USD 日足
(青:5 SMA 赤:25 SMA 黄:75 SMA)
BCH/BTC 日足
(青:5 SMA 赤:25 SMA 黄:75 SMA)
ビットコインキャッシュの出来事
日付 | 出来事 |
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2017年7月20日 | 「ビットコイン改善提案91」がアクティベート |
2017年8月1日 | ビットコインキャッシュが、ビットコインから分裂によって誕生 |
2017年8月4日 | ビットコインの送金詰まり緩和により、ビットコインキャッシュが急落 |
2017年9月21日 | SBI北尾社長のビットコインキャッシュ支持発言により急騰 |
2017年11月12日 | ビットコイン消滅の噂により、ビットコインキャッシュが暴騰 |
2017年12月20日 | Bitcoin.comのCTOが所有BTCを全てビットコインキャッシュに変更して急騰 |
11月12日に急騰しているのは、ビットコインのバージョンアップの延期が発表されたタイミングで、中国の最大手マイナーにより「ビットコインが消滅し、ビットコインキャッシュの方が存続する」との噂が流されたからです。この噂は否定され、当日中に値を戻しています。
今後、買いエントリーするとすれば、日足75 SMAにタッチないし割り込んだ水準が良いでしょう。
「業界大物の発言」や「マイニング難度の変更」に影響を受ける
仮想通貨業界の大物、たとえば、本家ビットコインの開発者やSBI北尾社長の発言で、ビットコインキャッシュの価格は大きく動きます。
本家ビットコインの「代替品」という側面はいまだ大きいです。
また、ビットコインキャッシュは、ビットコインの改良措置として、『Emergency Difficulty Adjustment』 (緊急難易度調整機能)が搭載されています。
このEDAにより、マイニングの難易度が変更された際にも、ビットコインキャッシュの価格は大きく変動します。
マイニングの難易度が下がれば、多くのマイナーが参入し送金スピードが上がるので、ビットコインキャッシュの価格は上昇することになります。
今後の値動き予想
ビットコインキャッシュの将来の価格に決定的な影響を与えるポイントは次の2点です。
- ビットコインシリーズ(BTC&BCH、その他分裂コイン)がブランドバリューを維持できるか?
- ビットコインに対する下剋上はなるか?
タイムスパンとしては、おおむね2019~2020年末までを見込んでいます。
個人的な予想では、ベストシナリオ(最も望ましい結果)で7.2倍の価格への値上がり、ワーストシナリオ(最も望ましくない結果)で0.2倍の価格への値下がりが見込まれ、期待値は4,205ドルとなります。
これは、現在の価格2,500ドルの1.7倍です。
1.7倍という値は、他の金融投資に比べれば、リスクリワードは決して低くないですし、むしろ驚異的です。
しかし、有望なアルトコインに対しても優位な投資対象であるかは疑問です。
仮想通貨価格 期待値計算
仮想通貨価格伸びしろ予想
ビットコインキャッシュの買い方
ビットコインキャッシュは金融庁認可を受けている国内の仮想通貨取引所で購入することができます。
ビットコインキャッシュを購入する取引所を選ぶ際は、どのようにビットコインキャッシュを取引・保有したいかの投資手法などを考えた上で、目的に沿った取引所を選ぶとよいでしょう。
ビットコインキャッシュを購入したい初心者に特におすすめの仮想通貨取引所は次の3取引所です。
ザイフ(Zaif)
ザイフでは取引所形式でビットコインキャッシュの購入ができる数少ない国内取引所です。取引コストをとても安く抑えることが可能となっています。
ビットコインキャッシュの売買をするならザイフを利用することをおすすめします。
ザイフ取引所のホームページからはハードウェアウォレットへの購入リンクもあり、日本語での使用説明書も見ることができます。利用者への購入後の配慮もある取引所です。
セキュリティ | 2段階認証・マルチシグネチャ・顧客資産分別管理 |
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保証 | なし |
取引手数料 スプレッド |
BTC現物取引手数料-0.05%など |
取引形態 | 取引所・販売所・積立・FX・信用・先物 |
会社の安全性 | テックビューロ社による安心運営 |
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Zaif(ザイフ) の評判!口コミ・特徴比較でわかる評価
「Zaif Exchange(以下 Zaif )」は、テックビューロ株式会社が運営する、今、とても人気の仮想通貨・トークンの取引所です。 プライベートブロックチェーン「mijin(微塵)」や、その新バ ...
ビットフライヤー(bitFlyer)
bitFlyer(ビットフライヤー)は、ビットコインキャッシュを取引所・販売所で購入することができる、国内一のビットコイン取引量※を持つ取引所です。
取引画面はPC版もスマホ版も使いやすく、販売所での取引手数料は無料となっています。
ビットフライヤーライトニングという最大15倍までのレバレッジ取引も可能。
※シード・プランニング社調べ(2017年2月仮想通貨取引所ビジネスの市場規模調査)
セキュリティ | 2段階認証・マルチシグネチャ・顧客資産分別管理 |
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盗難保証 | 盗難補償あり |
取引手数料 スプレッド |
BTC現物取引0.01%~0.20%など。 無料キャンペーン多々あり。 |
取引形態 | 取引所・販売所・FX |
会社の安全性 | 資本金41億238万円と安心規模の運営 |
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bitFlyer(ビットフライヤー)の評判!口コミ・特徴比較でわかる評価
bitFlyer は、月間取引量・ユーザー数・資本金が国内最大級の、今、最も人気の仮想通貨取引所です。( 2017 年 9 月 bitFlyer 調べ) 2014 年 1 月 9 日に SMBC ベン ...
コインチェック(Coincheck)
コインチェックは、ビットコイン取引所として取引高第1位※、アプリ利用者数第1位と多くの人から人気の高い取引所です。
販売所スタイルでビットコインキャッシュを取引できます。取引手数料は完全無料となっています。
取引画面はPC版、スマホアプリ共に初心者にも分かりやすい作りになっています。
セキュリティは二段階認証や顧客資産分別管理はもちろん、不正ログインに対する盗難補償も100万円まで使えるため安心感が高いです。
※Bitcoin日本語情報サイト調べ(2017年5-11月 日本の月間BTC現物取引高)
セキュリティ | 2段階認証・顧客資産分別管理 |
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保証 | 盗難補償あり |
取引手数料 スプレッド |
BTC現物取引手数料無料など |
取引形態 | 取引所・販売所・信用 |
会社の安全性 | 資本金9,200万円 みなし仮想通貨交換業者として運営中 JBA規約に基づいて運営 |
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コインチェックの評判!口コミ・特徴比較でわかる評価(coincheck)
コインチェック(coincheck)は2014年から運営を開始した、日本で最大の仮想通貨取引所です。ビットコインやアルトコインを含む13種類の仮想通貨が売買できます。 この記事では、コインチェックの実 ...
マイニング収益で儲けるのは難しい
ビットコインキャッシュのマイニングは、採掘難易度の変更時に、ビットコインの採掘者(マイナー)との出入りが激しいです。
ビットコインのマインングは、電力が安い中国での大資本によるマイニングが進んでいます。
ビットコインキャッシュについても、電力料の高い日本で個人が採掘しても勝算は薄いでしょう。