クレジットカード決済は、「後払で」「その場で」「簡単に」「便利に」「お得に」にショッピングができるため、もはや生活にはなくてはならないものですね。
今では、ビットコインなどの仮想通貨もクレジットカードで簡単に購入できてしまい、国内取引業者であれば「Zaif」「bitFlyer」「Coincheck」の3社がクレジットカード決済に対応しています。(2018年2月2日時点)
追記:Zaifのクレジットカード購入は2018年2月9日より停止となりました。
しかし、決して「お得」ではありません。
実は、その他の購入方法よりも、かなり割高になってしまうため「とにかく今すぐビットコインが欲しい」または「将来的に必ず利益を出して相殺できる」という人以外にはオススメできません。
最もお得に仮想通貨を購入する方法は、「銀行振込やPay-easy決済を利用して現金を取引口座に入金し、取引所で売買をする」です。
この記事では、この取引所取引については省略し、あくまで「販売所におけるビットコインの購入方法の違い」で比較・検証し、一体、クレジットカード決済がどの程度割高なのか具体例を示しながら解説します。
クレジットカード決済の4つのデメリット
まず、ビットコインを購入する目的というのは、今のところはだいたい以下の5つに分類されるのではないでしょうか。
- ビットコイン決済に利用するため
- ビットコイン自体の価格上昇によって利益を得るため
- 他のアルトコイン・ICOトークンを購入するため
- 仮想通貨FXの資金として利用するため
- 流行っているから
しかし、ビットコイン購入の目的が何であったとしても、大前提として「購入時の価格より将来的に値上がりしなければ損失になる」ということを忘れてはいけません。
また、ビットコインでしか購入できないアルトコインやトークンが目的だとしても、元手資金であるビットコインを不利な価格で購入していれば、その分だけアルトコインで得る利益も目減りします。
ビットコイン購入時にはなるべく余計なコストを抑えることがとても大切なんですね。
他の支払方法よりも購入数量が少なくなる
クレジットカードでビットコインを購入する場合、取引業者が決めたクレジットカード専用のレートで購入することになります。
このレートにはすでに取引業者の手数料が含まれており、取引所や販売所のレートよりも割高です。(価格差については決済手数料と購入価格で比較を参照)
そのため、同じ金額分だけビットコインを購入するにしても、クレジットカード決済はその他の購入方法よりも購入数量が少なくなってしまいます。
購入金額が高額になるほど手数料を多く支払う
クレジットカード決済は、元手資金がなくても多くのビットコインを購入できるメリットがある反面、「高額購入になるほど手数料も多く支払う」「ビットコインの価格によっても手数料が変動する」といったデメリットがあります。
例えば、bitFlyerで5万円分、30万円分のビットコインを購入する場合のコストを比較してみます。(1BTC=999,611円の場合、詳細は決済手数料と購入価格で比較を参照)
まず、5万円分のビットコインを購入する場合、コンビニ入金の手数料は一律324円、クレジットカード決済の場合は概算で約450円とさほど変わりません。
しかしこれが、30万円分のビットコインとなると、コンビニ入金の手数料は一律324円で変わりませんが、クレジットカード決済の場合は概算で約2,700円にもなってしまいます。
「クレジットカード決済は金額が多いほど損をする」「その他の購入方法は金額が多いほどお得になる」と覚えておきましょう。
分割払いはカード会社の分割手数料も負担する
高額のビットコインを購入した場合に、クレジットカード決済なら後から分割払いにすることもでき、元手資金のない人にとってはとても便利ですね。
しかし、もちろんクレジットカード会社の分割手数料を負担することになるので、余分なコストを負担しなければいけません。
例えば、三井住友VISAカードで、ビットコイン10万円分の支払いを10回払い(10回払いは実質年率14.25%)にした場合、分割手数料は6,700円です。
ただでさえ、取引業者の手数料が含まれた高いレートで購入しなければならない上に、クレジットカード会社の分割手数料までかかってしまっては、なんのためにビットコインを購入するのか本来の目的が分からなくなってしまいます。
もし、「取引業者の手数料分+クレジットカード会社の手数料分」よりも「ビットコインやアルトコインなどの価格上昇による利益+クレジットカードのポイント」が必ず上回るという確証があれば、クレジットカードで購入しても良いかもしれません。
利用したクレジットカードが使いづらくなる
取引業者によっては、クレジットカードで最大100万円分までビットコインを購入することができますが、それはあくまで取引業者での条件です。
当然、クレジットカードの種類または個人ごとに設定されている利用可能枠を超えての利用はできません。
また、利用可能枠ギリギリまでビットコインの購入に使ってしまうと、それ以降はそのクレジットカードの利用可能枠を意識しながら普段の買物をしなければならなくなるため、せっかくのクレジットカードの便利さが損なわれてしまいます。
もし、複数のクレジットカードを所有しているのであれば、普段あまり使わないカードを利用した方が良いでしょう。
しかし、クレジットカードのポイントや信用実績のことを考えると、日常的に使っているクレジットカードを利用した方がメリットが大きいため、どちらのカードを使えばいいのかは一概には言えません。
クレジットカード決済の3つのメリット
コストの面だけを見れば、確実にクレジットカード決済は不利だと言うことができますが、クレジットカード決済にも良い点はあります。
コストのことは度外視し、次の3つの点が自分にとってメリットだと感じるのであれば、ビットコインをクレジットカード決済で購入しても良いでしょう。
手続きは1ステップだけ
クレジットカードでビットコインを購入する手順は、「業者でクレジットカード情報を登録して決済する」という、1ステップだけで完結するのでとても簡単・スピーディーです。
その他の支払方法は、手数料を安く抑えることができる反面、「①業者で購入金額を登録」「②支払方法に応じた支払手続き」「③再度、業者で購入手続き」という、3ステップ必要なので少々面倒ではあります。
資金がなくてもすぐに購入できる
ビットコインの購入はタイミングがとても重要です。
数万円~数十万円単位でビットコインを購入する場合、クレジットカード決済であれば元手資金がなくても買えますし、その後の支払いが厳しいようであれば後から分割払いもできるので、価格変動の激しいビットコインをベストタイミングで購入できる可能性があります。
クレジットカードのポイントが貯まる
ビットコインの購入でも、普通の買い物と同様にクレジットカード会社のポイントが溜まるのもメリットの一つです。
クレジットカード会社、カードの種類、ポイントプログラムなどによって還元率はさまざまなので、なるべく好条件のカードを利用した方が良いでしょう。
例えば、「楽天カード」であれば、ポイント還元率1%、1ポイント1円なので、ビットコイン10万円分のポイントは1,000円相当です。
「三井住友VISAカード」であればポイント還元率は0.1%、1ポイントはキャッシュバックであれば3円なので、ビットコイン10万円分のポイントは300円相当です。
手数料を安く抑えるなら他の入金方法をおすすめ
クレジットカード決済以外のビットコイン購入方法は、「まず日本円を口座に入金してから購入手続きをする」という方法です。
日本円の入金方法には「銀行振込」「ペイジー決済」「コンビニ決済」の3種類があり、「Zaif」「bitFlyer」「Coincheck」の手数料体系は以下の通りです。
Zaif | bitFlyer | Coincheck | |
---|---|---|---|
銀行振込 | 金融機関所定の手数料 | 金融機関所定の手数料+324円 | 金融機関所定の手数料 |
ペイジー (銀行ATM・ ネットバンキング) |
3万円未満:486円 3万円以上:594円 |
324円 | 3万円未満:756円 3万円以上50万円未満:1,000円 50万円以上:入金金額×0.108%+486円 |
コンビニ決済 | 3万円未満:486円 3万円以上:594円 5万円以上:594円+印紙代200 |
324円 | 3万円未満:756円 3万円以上50万円未満:1,000 円 50万円以上:入金金額×0.108%+486円 |
Coincheckは全体的に割高ですが、bitFlyerは金額に関わらず一律324円と最も良心的です。
Zaifは、金額が大きくなるほど手数料は高くなりますが、Coincheckよりかは安いですね。
クレジットカード購入時の決済手数料を比較
ここでは、「Zaif」「bitFlyer」「Coincheck」の3社を「クレジットカード決済手数料」「ビットコイン購入価格」「それ以外の条件」で比較してみたいと思います。
決済手数料と購入価格で比較
取引業者のクレジットカード決済手数料はすでに購入レートに含まれており、「日本円の金額」や「ビットコインの数量」を指定すると自動計算される仕組みになっています。
この手数料はどこの取引業者も非公開なのでユーザーからは見えません。
そのため、ユーザーからはベストな購入方法がとても分かりづらくなっており、「簡単だから」と安易にクレジットカード決済を選択してしまいがちです。
そのため、概算とはなりますが、販売所購入とクレジットカード決済とで、「1万円で購入できるビットコインの数量の差」を「その時点の各取引業者の販売所のレート」によって円・手数料率に換算してみたいと思います。(Coincheckは、2018年2月2日時点でクレジットカード決済が一時利用停止中のため省略)
Zaif | bitFlyer | Coincheck | |
---|---|---|---|
販売所レート | 1,010,861円 | 999,611円 | 利用停止中(2018/2/2時点) |
販売所購入数量 | 0.0098 BTC | 0.0102 BTC | |
クレカ購入数量 | 0.0092 BTC | 0.0093 BTC | |
差額 | 0.0006BTC | 0.0009 BTC | |
概算手数料 (手数料率) |
約607円 (約6%) |
約900円 (約9%) |
※2018年2月2日時点の販売所レートを計算
手数料はZaifが安い
Zaifの1万円あたりの購入数量は、販売所よりもクレジットカード決済の方が0.0006BTC少ないので、約607円(約6%)手数料が上乗せされていることがわかります。
bitFlyerの1万円あたりの購入数量は、販売所よりもクレジットカード決済の方が0.0009BTC少ないので、約900円(9%)手数料が上乗せされていることがわかります。
クレジットカード決済の手数料の安さだけ見るとZaifがお得ですね。
ビットコインの価格はbitFlyerが安い
Zaifはビットコインの価格自体が、bitFlyerよりも11,250円高いため、1万円で購入できるビットコインの数量は、販売所購入で0.0004BTC、クレカ購入の場合は0.0001BTC少なくなります。
この時点のZaifの販売所レートで円換算してみると、販売所購入で約400円、クレジットカード決済購入で約100円の差しかないため、この程度であれば無視できるレベルです。
しかし、数十万円単位でビットコインを購入することを考えると、決して無視できない価格差です。
なるべく安い価格の取引業者を探し、クレジットカード決済以外で購入した方が良いことがよく分かります。
その他の条件で比較
ここでは、各取引業者における「ビットコインの購入価格の特徴」「クレジットカード決済可能な仮想通貨」「対応クレジットカード」「購入単位」「最低購入額・限度額」「その他の購入方法」を比較してみたいと思います。
Zaif | bitFlyer | Coincheck | |
---|---|---|---|
BTC購入価格 | 高い | 普通 | 安い |
仮想通貨 | BTC,MONA | BTC,ETH,ETC,LTC BCH,MONA |
BTC,ETH,ETC,LSK,FCT XMR,REP,XRP,ZEC,XEM LTC,DASH,BCH |
対応クレカ | VISA、MasterCard | VISA、MasterCard | VISA、MasterCard、JCB |
購入単位 | 1,000円単位 | 1円単位 | 1円単位 |
最低購入額 限度額 |
1,000円~最大50万円 | 1,000円~100万円(通常購入) 1,000円〜20万円(定期購入) |
5,000円~100万円(国内発行) 5,000円~1万円(海外) |
購入方法 | 通常購入、コイン積立 | 通常購入、定期購入 | 通常購入 |
先ほど決済手数料を比較した際には、ビットコインの購入価格はZaifよりもbitFlyerが有利でしたが、実はCoincheckの方がもっと安く購入できます。
しかし、CoincheckはNEM流出騒動の関係で、現在はあまりオススメすることができない取引業者なので、参考程度として考えてください。
クレジットカード決済可能な仮想通貨の種類は、Coincheckが最も多く13種類、bitFlyerが6種類、Zaifが2種類です。
対応クレジットカードは、CoincheckであればVISA、MasterCardの他にJCBも利用できます。
Zaifは購入単位は1,000円単位で限度額が50万円、他は1円単位で限度額は通常であれば100万円まで購入可能です。(クレジットカードの利用限度額次第)
1回限りの通常購入の他に、Zaifには「コイン積立」bitFlyerには「定期購入」という、毎月指定日にビットコインを自動購入できるサービスがあります。
これはいわゆる「ドルコスト平均法」と呼ばれるもので、ビットコインの価格変動リスクを分散するための投資手法の一つです。
よくある質問
仮想通貨をクレカ購入できる海外取引所はある?
海外取引所では、XCOINS、BitStamp、CoinMama、Cubits、Cex.ioなどであれば、ビットコインをクレジットカード決済で購入できます。
また、海外取引所の中には、フィアット通貨(日本円や米ドルなどの法定通貨)の取り扱いがなく、仮想通貨の入出金しかできない取引所が多く存在するので注意してください。
そのような取引所の場合は、日本円自体入金することもできませんし、クレジットカードは当然利用することができません。
そのため、保有しているビットコインやアルトコインを送金し、他の通貨と交換しなければいけません。
クレジットカードで購入したビットコインはすぐに使える?
取引業者によって異なりますが、bitFlyerの場合は仮想通貨購入から7日間は売却・決済・出金(送金)ができません。
つまり、「今すぐ海外取引所でアルトコインを購入したいがビットコイン(元手資金)がない。だから最速のクレジットカード決済でビットコインを入手しよう」と考えたとしても、7日間は送金ができないため目的のアルトコインを今すぐ購入することはできません。
ビットコインを購入する以外にクレジットカードの活用方法はある?
楽天市場で買い物をすることの多い人は、bitFlyerと楽天カードの組み合わせがとてもお得です。
bitFlyer経由で楽天市場を利用すると、まずbitFlyerの特典として商品価格の0.6%のビットコインがもらえ、さらに楽天カードの特典として楽天スーパーポイントが通常の4倍(通常100円につき1ポイント=1円のところ4ポイント=4円)も付与されます。
bitFlyerは、楽天市場以外にも無料でビットコインがもらえる多くのサービスの取り扱いがあるので、ぜひ活用してみてください。