ビットコイン(仮想通貨)は取引所で購入するのがおすすめですが、初心者の人は「そもそも取引所って何?どうやって購入するの?」など疑問に思うことも多いはず。
この記事では、「販売所」と「取引所」と呼ばれる2種類の購入場所の違いを分かりやすく解説して行きたいと思います。
目次
ビットコイン取引所とは?
まずは基礎知識として、取引所とは「何をするところか?」「申込手続きはどうすれば良いか?」「どうやって購入するか?」の3点について解説します。
取引所は他のユーザーと通貨を交換するところ
取引所とは通貨の交換所です。
仮想通貨の交換原則は、大きく分類すると「法定通貨⇆仮想通貨」「仮想通貨⇆別の仮想通貨」の2パターンがあります。

また、交換対象となる通貨Aと通貨Bの組み合わせのことを「通貨ペア」と呼びます。

取引所は基本的に、この通貨ペア・注文数量・注文価格を指定して通貨の交換ができる場を提供してくれているところです。
初心者におすすめの国内取引所については「おすすめ仮想通貨取引所比較!日本国内の初心者向け口座の選び方」をご覧ください。
-
-
仮想通貨取引所おすすめランキング!日本国内初心者向け口座比較
2018年1位の取引所を今すぐ見る! この記事では「仮想通貨初心者が利益を上げるために最もおすすめの取引所」を教えます。 金融庁に登録済みの仮想通貨業者を比較し、さらに現役トレーダーの人気順にランキン ...
アカウント作成からビットコイン購入までの手順
ここでは、最もベーシックな日本円でビットコインを購入する方法を解説します。
アカウントを作成する
取引所を利用するためには、まず以下の3点を用意して公式サイトからアカウントを作成します。
- パソコン・スマホ
- メールアドレス
- 本人確認書類
また、取引所によっては紹介コードがあれば特典や割引などを受けられる制度もあるので、すでにその取引所でアカウント作成をしている人が身近にいないか確認してみましょう。
メールアドレスだけでもアカウントは作成できますが、その場合、仮想通貨の預入・送付しかできないところが多く、仮想通貨の売買をしたり制限なく取引所を利用したりする場合は「本人認証」という手続きが必要です。
本人認証には、以下のような本人確認書類の画像を公式サイト上でアップロードして申請します。
アカウント作成から本人認証までの所要時間は10分もかからずとても簡単です。
しかし、多くの取引所では申請後に届く郵送物を受け取り、認証コードを入力するまでは制限が解除されないところがほとんどです。
最近の仮想通貨ブームの影響により、申込者数が急激に増加したため運営会社側の本人認証処理が追いついていないようです。
早いところで1〜2週間、遅いところでは1ヶ月以上かかるところもあるので注意してください。(2018年2月時点)
資金を用意する
アカウント作成と本人認証が完了したら、以下のいずれかの方法でアカウント口座に日本円を入金します。
- 銀行振込(運営会社の口座宛に、ATM・インターネットバンキング等)
- ペイジー(ATM・インターネットバンキングよりペイジー決済を選択)
- コンビニ入金(払込番号を使い所定のコンビニエンスストアで支払い)
数百円〜数千円といった少額からでも購入することができますが、入金手数料がかかるところが多いので、小まめな入金はあまりオススメできません。
ただし、銀行の預金口座ではないので必要以上の入金も控えましょう。
運営会社は万全のセキュリティ対策をしているとはいえ、万が一のことを想定して資金を預けることが大切です。
また、運営会社によっては、クレジットカード決済で直接ビットコインを購入できるところもあるので入金の手間を省くことができます。
クレジットカード決済後は、購入したビットコインはすぐにアカウント口座に反映され、支払いはカード会社の所定の支払日となります。
ビットコインを買う
入金がアカウント口座に反映されれば、いよいよビットコインの購入ができます。
通常の仮想通貨の購入方法のことを「現物取引」と言い、価格はマーケットの状況に応じて常に変動します。
販売所と呼ばれるところでは、一般的に以下の画像のように売買価格が1ペアだけ表示されています。
ユーザーは、「①購入価格を確認する」「②購入数量を指定する」「③注文ボタンを押す」という流れでビットコインを購入します。
※bitFlyer販売所画面
また、取引所と呼ばれるところでは、以下の画像のような「板」と呼ばれる「他のユーザー(市場参加者)の希望売買価格が表示された注文一覧表」を使います。
ユーザーは、「①注文一覧を確認し自分の希望にマッチした価格を選ぶ」「②購入数量を指定する」「③注文ボタンを押す」という流れでビットコインを購入します。
もし、希望する価格がなければ、自分で希望価格を設定した注文を板に並べて、その価格でビットコインを売っても良い人が現れるまで待つことになります。
※bitFlyer取引所画面
取引所と販売所の違い
ここでは、仮想通貨が購入できる「取引所」と「販売所」の違いを比較し、それぞれの特徴を解説します。
取引所と販売所の比較表
取引所 | 販売所 | |
---|---|---|
取引相手 | 他の市場参加者 | 運営会社 |
取引種類 | 現物取引、レバレッジ取引 先物取引、信用取引など |
現物取引 レバレッジ取引 |
仮想通貨の種類 | 数種類~数百種類 | 数種類 |
購入価格 | 安い | 高い |
スプレッド | 狭い | 広い |
取引手数料 | 安い | 高い |
売買の確実性 | 低い | 高い |
流動性 | 市場参加者による | 運営会社が流動性を確保 |
トレードツール | 複雑・高機能 | 簡単・簡易的 |
取引所のメリット・デメリット
- 仮想通貨は取引に参加している顧客間で売買する
- 板に出ている取引価格と数量で売買する
- さまざまな種類のレバレッジ取引もできる
- 購入できる仮想通貨の種類が豊富
- 流動性が高いとスプレッド(取引コスト)が安くなる
- 流動性が低いと自由に売買できない可能性がある
透明性が高く、価格が安い
まず、取引所ではマーケットで他の市場参加者と直接売買をするため、販売所よりも「購入価格が安い」「売却価格が高い」という特徴があります。
当然、安い価格で買った方が将来的に有利ですし、高い価格で売った方が手元に入る金額は増えます。
以下の画像は、2018年2月5日時点におけるZaifの販売所(画像:上)と取引所(画像:下)のビットコインの価格です。
取引所の方が、ビットコインを購入する場合は約6万円安く、ビットコインを売却する場合は約4万円高く売買することができます。
※左がビットコインの売却価格、右がビットコインの購入価格
※中央下がビットコインの売却価格、中央上がビットコインの購入価格
また、「板」の他に「歩み値」と呼ばれるマーケット全体の取引履歴を利用することで、市場参加者の心理を分析したり、レートやチャートの価格がどのように決まっているのかを知ることができるため、とても透明性の高い取引だと言えます。
以下の画像は、Zaifの取引所における「板(画像:左)」と「歩み値(画像:右)」です。
レバレッジ取引、先物取引、信用取引などの投資ができる
取引所では現物取引の他に、レバレッジをかけて元手資金の何倍もの数量を取引して利ざやを得る「レバレッジ取引」「先物取引」「信用取引」といった取引もできます。
ただし、これはハイリスクな投資商品なので初心者の人にはオススメできません。
現物取引で、相場観・取引の仕組み・トレードツールの使い方を学んでからチャレンジした方が良いでしょう。
取引コストを安く抑えることができる
また、取引所は販売所に比べ取引コストが安いことも大きなメリットです。
Zaifでは、ビットコインの現物取引手数料がマイナス手数料なので、取引すればするほど日本円で還元してもらえますし、その他の国内取引所でもほとんどのところが無料にしています。
また、スプレッド(その時点の購入価格と売却価格の差)も販売所よりも圧倒的に狭いため、総合的に取引コストを安く抑えることができます。
先ほどのZaifの例だと、販売所のスプレッドは約10万円、取引所のスプレッドは約3,400円と、10倍以上の違いがあります。
取引所の注意点
取引所では、自分が希望する価格・数量の注文がマーケットになければ売買は成立しません。
そのため、売買の確実性は販売所よりも低く、「マーケットの市場参加者の数」「注文の量」「タイミング」といった流動性と呼ばれるものに大きく左右されます。
また、取引所は扱う仮想通貨の種類が多く、さまざまな注文方法で売買ができます。
その分だけトレードツールは複雑・高機能化しているため、初心者の人はまず使い方から学ばなければいけません。
取引所選びの際には、「取引手数料」「スプレッド」「流動性」「トレードツールの使いやすさ」には注意してください。
以下は、bitFlyerの高機能トレードツール「Lightning」のトレード画面です。
販売所のメリット・デメリット
- 仮想通貨は販売所を運営している企業と売買する
- 販売所が提示する価格で確実に仮想通貨を売買できる
- 初心者でも買い方がわかりやすい
- 取引所よりも取引コストが割高な傾向にある
いつでも簡単に仮想通貨を手に入れることができる
販売所の場合、取引相手は他の市場参加者ではなく運営会社です。
売買は「運営会社がプールしている仮想通貨を購入」または「仮想通貨を売却し運営会社がプールしている日本円を得る」という取引となります。
運営会社は、常に一定量の仮想通貨を保有しているため、ユーザーはいつでも運営会社が提示する価格で購入・売却することができます。
また、取引相手は運営会社なので「板」「歩み値」などは必要ありません。
そのため、トレードツールはとても分かりやすく誰でも簡単に売買できるようになっています。
以下は、Zaifの販売所の画面ですが、ユーザーが指定する項目は「数量」または「金額」しかありません。
販売所の注意点
販売所は、基本的にビットコインはどこでも購入できますが、取り扱っている仮想通貨の種類が少なく、アルトコインは販売所によってさまざまです。
また、購入価格には運営会社の手数料が含まれており、スプレッドもかなり広く設定されているため、総合的に取引コストは取引所よりも割高になります。
初心者には取引所・販売所どっちがおすすめか
比較表を見ると分かる通り、取引所と販売所ではメリットとデメリットが真逆です。
どちらにも一長一短がありますので、初心者の人は「自分の目的や優先したいこと」を基準にして使い分けてください。
国内の仮想通貨取引所のほとんどは「取引所」と「販売所」のどちらも利用できるので、口座登録後に実際の画面を見比べて使ってみることをおすすめします。
取引所をオススメする人
取引所は、取引コストが安く取引種類や注文方法が柔軟な反面、必ず希望通りの売買ができるとは限らず、ある程度の専門知識も必要です。
初心者の人で、「ある程度専門知識をつけるための時間があり、取引コストを安く抑えたい人」には「取引所」がオススメです。
販売所をオススメする人
販売所は、いつでも簡単に売買できる反面、選べる仮想通貨の種類が少なく、価格と取引コストが割高です。
初心者の人で、「投資経験が浅く仮想通貨も初めてだが、今すぐ仮想通貨を購入したい人」には買い方がわかりやすい「販売所」がオススメです。
また、投資や仮想通貨に明るい人は基本的に取引所しか利用しませんが、価格やコストを度外視してでも緊急で売買しなければならない時には販売所も利用します。
初心者にオススメの仮想通貨取引所
また、運営会社によっては営業形態も違っていて「取引所のみ運営」「販売所のみ運営」「取引所と販売所どちらも運営」など、さまざまなタイプの会社があります。
取引所と販売所を両方運営している会社は「bitFlyer」「Zaif」「Coincheck」などが有名です。
このタイプの会社は、一つのアカウントで取引所と販売所を使い分けることができ、初心者から上級者まで対応した会社です。
販売所のみ運営している会社は「GMOコイン」「DMM Bitcoin」が有名です。
このタイプの会社は販売所であるにも関わらず、ただ仮想通貨を購入するだけではなく、より投資寄りの売買ができます。
特徴としては、販売所の「トレードツール・スマホアプリの使いやすさ・分かりやすさ」「安定した流動性」といったメリットはそのままに、取引所の「取引コストの安さ」「レバレッジ取引ができる」「注文方法の多さ」といったメリットを併せ持っているため、超初心者でも安心して売買できる会社です。
もちろん、一つの会社だけでなく複数の会社でアカウントを作成して使い分けても大丈夫です。