みんなのビットコイン株式会社は、「みんなのFX」や「みんなのバイナリー」でもおなじみの、トレイダーズインベストメントの子会社です。
アジア圏で仮想通貨取引所を運営する大手QUOINE社との業務提携によって、2016年12月15日に設立された、国内ではかなり後発組の取引所です。
社名にビットコインがつきますが、その他の仮想通貨も取扱いしており、現物取引と最大 25 倍のレバレッジ取引ができます。
今回は、みんなのビットコインの各取引の特徴やトレードツールの機能など、初心者の人にも分かりやすく解説していきたいと思います。
目次
みんなのビットコインの特徴
取引種類 | 取引所 | |
---|---|---|
現物取引 | レバレッジ取引 | |
仮想通貨数 | 3種類 | 2種類 |
通貨ペア数 | 17種類 | 12種類 |
レバレッジ | - | 2 / 4 / 5 / 10 / 25倍 |
売買手数料 | BTC / JPY:無料 BTC / JPY以外:0.25% |
|
その他手数料 | なし | ポジション料:0.05% |
追証 | - | なし |
ロスカット率 | - | 110% |
スマホアプリ | × |
みんなのビットコインのメリット
- 最大25 倍のレバレッジ取引が可能
- トレードツール「 BT トレーダー」が使いやすく高機能
- 流動性が高い取引所なので、スプレッドが非常に狭い
- 注文方法が多彩で、トレール注文も可能
みんなのビットコインのデメリット
- 取扱仮想通貨が 3 種類と圧倒的に少ない
- 情報量が非常に少なくサポートも不十分
- トレードツールがスマホに完全対応していない
- クイック入金に対応していない
トレーダーズインベストメントが扱う金融商品は、全般的に初心者に優しい商品づくりをしているという特徴があります。
みんなのビットコインも同様で、「公式サイトがとても見やすい」「会場セミナーやオンラインセミナーの開催予定がある」といった、一見すると仮想通貨入門・投資入門に適した業者のように思われます。
取引種類も、堅実に現物取引をするか、リスクをとってレバレッジ取引をするかの2種類なので単純明快です。
独自のトレードツール「BT トレーダー」は、本格的な機能を搭載しつつ、初心者の人でも使いやすいようにさまざまな工夫がされています。
決して初心者向きの簡易的なツールではなく、機能性とユーザビリティば両立した、かなり使いやすいオリジナルツールです。
また、高い流動性を持つ取引所であるため、スプレッドがとても狭いところが特徴です。
ここまでは他社と比べると、かなりユーザーフレンドリーな印象です。
しかし実際は、「情報量が非常に少なくサポートも不十分」「取扱仮想通貨が 3 種類と圧倒的に少ない」「トレードツールがスマホに完全対応していない」「クイック入金に対応していない」といった側面も持ち合わせています。
サポートに関しては、公式サイトの取引ルール説明が不十分ですし、トレードツールの使い方などの各種マニュアルがなく、サポートはメールのみです。
アルトコインに関しては、イーサリアムとビットコインキャッシュだけなので、取扱仮想通貨数が現在最も少ない業者です。
トレードツールに関しては、一応、スマホのブラウザでもログインすることはできますが、スマホ画面に最適化されておらず、動作保証もしていないのでやめた方が良いでしょう。
口座開設までは誰でも簡単にできます。しかし、そこから本格的にトレードをする場合は、ある程度投資経験があり、自分で仮想通貨について常に情報収集ができる人でないと、みんなのビットコインだけでは苦労すると思います。
ただし、勉強しながら少しずつ取引していくスタイルの人であれば問題ないでしょう。
今後、サービスが充実してくることを期待したいところです。
ちなみに、提携企業のQUOINE社と比べた場合、取引条件はほぼ同一ですが(QASH トークンの取扱は除く)、みんなのビットコインにはクイック入金とスマホアプリがないため、少々不便です。
しかし、パソコンのトレードツールが使いやすく、オリジナル機能をいくつも搭載しているので、ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュの取引だけで考えると、QUOINE社に比べて決して劣っているという訳ではありません。
(最終更新:2017年12月)
取引ルール
取扱通貨ペア数
取扱仮想通貨は現物取引3種類、レバレッジ取引2種類
みんなのビットコインの取扱仮想通貨は、現物取引がビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュの 3 種類、レバレッジ取引がビットコイン、イーサリアムの 2 種類と、他社と比較してもかなり少ない業者です。
例えば、Zaifではトークン含め計 14 種類、bitFlyerではモナコインやライトコイン含め計 6 種類です。
今のところ、みんなのビットコインでは仮想通貨・トークンの追加予定はないため、今後の拡大に期待したいところですね。(2017年12月時点)
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
通貨ペア数は現物取引17種類、レバレッジ取引12種類
みんなのビットコインは、取扱仮想通貨こそ少ないものの、現物取引・レバレッジ取引共に外貨との通貨ペアの種類が豊富です。
現物取引が 17 種類、レバレッジ取引が 12 種類で、香港ドル、インドネシアルピー、フィリピンペソ、インドルピーなどのマイナー通貨との通貨ペアがあることが特徴です。
- BTC/JPY
- BTC/USD
- BTC/EUR
- BTC/AUD
- BTC/SGD
- BTC/HKD
- BTC/CNY
- BTC/IDR
- BTC/PHP
- BTC/INR
- ETH/JPY
- ETH/BTC
- ETH/USD
- ETH/EUR
- BCH/JPY
- BCH/USD
- BCH/SGD
- BTC/JPY
- BTC/USD
- BTC/EUR
- BTC/AUD
- BTC/SGD
- BTC/HKD
- BTC/CNY
- BTC/IDR
- BTC/PHP
- BTC/INR
- ETH/JPY
- ETH/BTC
しかし、みんなのビットコインは仮想通貨取引所なので、日本円で外貨を購入することができません。また、入出金も日本円しかできません。
そのため、仮想通貨/外貨の通貨ペアで取引する手順は以下の手順を踏む必要があります。
ETH/USD の場合
- 日本円でビットコインを購入
- ビットコインを売却し、米ドルを購入
- 米ドルでイーサリアムを購入
しかし、インドネシアルピーやフィリピンペソなどのマイナー通貨は流動性が低いため、なかなか希望額で約定できない可能性があります。
今後、仮想通貨と法定通貨の価値のバランスが各国で大きく開いた場合には、FXにおける通貨ペアの同様、仮想通貨/外貨も重要な選択肢となりますが、現状はあまり取引する機会はないと思います。
売買手数料(共通)
みんなのビットコインでは、現物取引・レバレッジ取引共に、下記の手数料が発生します。
日本国内に居住している人のベース通貨 BTC/JPY は売買手数料は無料です。
それ以外の通貨ペアの取引には、約定金額の 0.25% の手数料が徴収されます。
- ベース通貨( BTC/JPY ):無料
- ノンベース通貨( BTC/JPY 以外): 約定金額の0.25%
ポジション料(レバレッジ取引のみ)
レバレッジ取引の場合、上記の売買手数料の他にポジション料として約定金額の 0.05% が徴収されます。
ポジション料とは、他社で言うところのレバレッジ手数料・スワップポイントと同様のコストのことです。
新規に建玉を保有したとき、及び建玉を翌取引日に繰り越す場合に1 日ごと発生し、ポジション料の支払いは、新規に建玉を保有したとき、及び建玉を翌取引日に繰り越した際に行われます。
スプレッド
スプレッドは、取引所の流動性を測る目安となります。
「売り手が提示する最も安い価格」と「買い手の提示する最も高い価格」の差が、スプレッドです。
みんなのビットコインでは、他社ではが7,000〜8,000円広がる時でも、800〜3,000円程度で安定しており、とても流動性が高いと思います。(提携企業の QUOINE 社も同様)
入出金・送金手数料(共通)
入出金手数料は、現物取引・レバレッジ取引共通で下記の通りです。
外貨の入出金はできず、日本円のみです。クイック入金はできません。
日本円 入出金手数料
- 入金:送金元の銀行振込手数料
- 出金:500円
仮想通貨 入出金手数料
- 入金:送金元のマイナー手数料
- 出金:無料
トレードツールとチャート(共通)
スマホ トレードツール
現状、みんなのビットコインでは、スマホアプリがリリースされていません。
また、スマホのブラウザからトレードツールにログインすることは可能ですが、表示レイアウトがスマホに最適化されません。
そもそも、iOS・Android共に動作推奨環境外であるため、利用しない方が良いでしょう。
パソコン トレードツール
現物取引・レバレッジ取引、どちらも「BTトレーダー」で取引をします。
BT トレーダーは、みんなのビットコイン独自のトレードツールです。
推奨ブラウザは、Windows・macOS共にGoogle Chromeです。レイアウトやデザインをある程度カスタマイズ可能なので、以下に画面レイアウトの一例をご紹介します。(主要な機能 ① 〜 ⑤ は後述)
ウィンドウは全部で 7 種類あり、「板・歩み値」「注文画面」「チャート」「注文履歴・ポジション照会・約定履歴」「通貨別取引履歴」「口座状況・取引レポート」「入出金」です。
各ウィンドウは左右にのみ移動可能で、表示順序も変更できます。ウィンドウ上部メニューの「 <(左に一つ移動)」「 <|> 拡大」「 <|> 縮小」「 >(右に一つ移動)」で操作します。
基本的には、「縮小」はウィンドウを折りたむ、「拡大」はウィンドウを広げるという操作ですが、「チャート」「注文履歴・ポジション照会・約定履歴」の 2 つに関しては、拡大縮小が 2 段階操作できます。
また、一つのウィンドウ以外を全て折りたためば、ほぼ全画面表示にできます。チャートだけは、完全全画面表示が可能です。
「現物取引 / レバレッジ取引の切り替え」と「デザインの変更」は、画面右上のメニューから選択します。
①通貨ペア選択
取引通貨ペアを選択する手順は、「取引アカウントを選ぶ」→「通貨ペアを選ぶ」の順番で行います。他社と比較すると、独特な操作手順です。
まずは、取引アカウントを選びます。
取引アカウントとは、どの手持ち通貨(資産)で取引をするかを選ぶことです。トップメニューに表示されている、EUR、JPY、USD などをクリックして選択します。
また、トップメニューに登録する通貨(資産)は「取引アカウント選択」メニューからカスタマイズ可能です。
次に通貨ペアを選択します。
画面左上が、現在選択中の通貨ペアです。画面上中央が、先ほど選択した取引アカウントごとに登録されている通貨ペアで、クリックすることで取引したい通貨ペアを切り替えることができます。
また、通貨ペアの数が現物取引 17 種類、レバレッジ取引 12 種類と多いので、取引アカウントごとに登録する通貨ペアを、画面右上の「通貨ペア選択」メニューからカスタマイズできます。
②チャート
チャートは、提携企業QUOINE社と同じ「Trading View」を採用しています。
見た目は非常にシンプルですが、チャート上で右クリックすることで各種メニューを表示でき、チャートの背景やラインの色などかなり細かな部分までカスタマイズも可能です。
(※ちなみに、別の通貨ペアを一つのチャートで比較するための「比較、またはシンボル追加」メニューがあるのですが、こちらは残念ながら現在機能しないようです。また、チャートから注文はできません。)
さらに、チャート左上にある以下のアイコンで、チャートを1画面表示・上下2画面表示に切り替えることができます。他社では、チャートの画面分割に対応している業者はほとんどありません。
ただし、別の通貨ペアを選択することができず、あくまで異なる時間足での比較しかできません。
しかし、この「右クリック」と「 2 画面表示」は、提携企業の QUOINE にも搭載されておらず、みんなのビットコインのオリジナル機能です。
その他、「バースタイル」「時間足」「テクニカル」「描画ツール」は、以下のものが利用できます。
バースタイル ( 6 種類) |
バー、ローソク足、中空ローソク足、ライン、エリア、平均足 |
---|---|
時間足 ( 13 種類) |
1分、3分、5分、15分、30分、1時間、2時間 4時間、6時間、1日、2日、3日、1週間 |
テクニカル ( 60 種類以上) |
移動平均線、指数移動平均線、MACD、ストキャスティクス、 ボリンジャーバンド、エンベロープ、ウィリアムズ%R、RSI モメンタム、出来高…など |
描画ツール ( 7 種類) |
トレンドライン( 11 種類)、ピッチフォーク( 18 種類) ブラシ等( 9 種類)、テキスト等( 12 種類) XABCDパターン等( 14 種類)、ロングポジション等( 9 種類) アイコン( 200 種類以上) |
「Trading View」のチャートの特徴は、テクニカルが60種類以上も利用できる点です。ここではご紹介しきれないほどですが、人気のテクニカルはほぼ全て利用できます。
また、チャート画面左側には描画ツールのメニューが 7 種類ほどあるのですが、それぞれで、さらにいくつも種類があるので、描画ツールもとても充実しています。
マグネット機能も搭載しているので使い勝手も良いです。
③板
BT トレーダーの板は、他社のものと比べると多少レイアウトと機能が異なります。
上が「売り板」、下が「買い板」、中央が「価格」、右側が「約定数量」、左が「注文総量」です。売り板と買い板の間にある金額は「スプレッド」です。
いくらでいくつ注文があり、いくつ注文が成立したのかをチェックできます。買い注文をしたい人は上の売り板、売り注文をしたい人は下の買い板を見て取引をします。
売り板、買い板が独立しており、スクロールすることで枠外の価格も見ることができます。
また、注文総量を非表示にしたい場合は、右上の「・・・」ボタンから、モードを「ノーマル」に変更すると見やすくなります。
④注文画面
注文方法は、現物取引・レバレッジ取引どちらも「指値注文」「成行注文」「逆指値注文」「トレール注文」から選べます。
トレール注文ができるところも、みんなのビットコインのメリットです。
レバレッジ取引には、「レバレッジの選択」「両建ての有無」「一括決済」の機能があります。
⑤歩み値
歩み値(約定フィード)は、取引所全体の売りと買いの約定履歴です。チャートや板だけでは分からない、取引状況をチェックすることができます。
しかし、BT トレーダーの歩み値のウィンドウは、以下の画像ほどのサイズで固定されてしまっているので、少々見づらいと思います。(スクロールは可能)
セキュリティ、安全性について
みんなのビットコインでは、以下のセキュリティ対策を行なっています。
取引所としては、必要最低限の技術的な対策であり、特段、他社よりもセキュリティが強固という訳ではありません。
コールドストレージと口座の検証チェック
みんなのビットコインでは、ウォレットを常時コールドストレージで管理し、ユーザーには残高が表示されたビットコインアドレスを付与します。
そのため、資産は完全オフラインで守られ、ハッカーからの攻撃を排除できます。
また、1日1回、全てのアカウントに自動検証チェックが実施されます。口座残高に誤りがあった場合はすぐに検知できる体制のため、悪質な帳簿の改ざんは事実上不可能となります。
不正アクセスの検知・SMS による2段階認証
不正アクセス検知のため、普段利用していないIPアドレスからアクセスがあった場合は、即メールが届きます。
また、資金の出金には 2 段階認証を採用しているため、第三者からの悪意のある出金操作を防ぎます。
SSL暗号化通信
全ての通信には、SSL暗号化通信を利用しています。このため、第三者が通信内容を不正に傍受することを防ぎます。
キャンペーン
現在、みんなのビットコインでは、キャンペーンは開催されていません。(2017年12月時点)
口座開設で注意すべきポイント
みんなのビットコインの口座開設時には、以下の点に注意しましょう。
- 口座開設時には、本人確認書類の提出が必要
- 口座に資金を振込する前に入金情報の作成が必要
- 出金先銀行口座の登録には手続きが必要
口座開設時には、本人確認書類の提出が必要
口座開設から取引開始までの流れは上記の通りです。
公式サイトから進み、専用フォームで必要事項を入力し、受信したメールのリンクからログインをすれば登録完了です。
その後、本人確認書類の画像をアップロード、後日郵送されてくるハガキを受取、資金を入金すれば取引が可能となります。
本人確認書類
以下のいずれか1点。
- 運転免許証
- 住民基本台帳カード
- パスポート
- 在留カード
- 特別永住者証明書
または、以下のいずれか2点。
- 各種健康保険証
- 住民票の写し
- 印鑑登録証明書
口座に資金を振込する前に入金情報の作成が必要
みんなのビットコインの指定口座に資金を振込みする前に、トレードツールの入金メニューから、銀行名・入金額等の入金情報を事前に作成する必要があります。
入金情報作成後に取得する入金IDを、振込人名義の前につけて金融機関で振込をします。
出金先銀行口座の登録には手続きが必要
資金の出金先銀行口座は、本人名義の銀行口座をトレードツール上で登録します。
その際、銀行名、支店名、口座名、口座番号が確認できる銀行通帳やネット銀行のログイン後画面の画像のアップロードが必要です。(キャッシュカードの画像は不可)
みんなのビットコインのその他サービス
初心者向け無料会場セミナー
これまで、みんなのビットコインでは単発で初心者向けの無料会場セミナーが開催されています。(現在、開催中のセミナーはありません。/ 2017年12月時点)
公式サイトでは、セミナー専用ページが設けられており、オンラインセミナーも現在準備中となっているため、今後、充実してくる可能性があるので初心者は要チェックです。
まとめ
みんなのビットコインは、取扱仮想通貨の種類、サポート・サービスは今ひとつですが、使いやすいトレードツール「 BT トレーダー」と、取引所の高い流動性によるスプレッドの狭さが魅力です。
初心者の人は、初めは苦労するかと思いますが、慣れれば比較的好条件で取引ができるため、オススメできる業者の一つです。
まだ設立してまもない業者なので、今後の改善に期待したいところです。